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水曜

パパ掲示板

お金をもらう
パパ掲示板で知り合ったカズキちゃんは、まだ19歳の女子大生だった。
「入学はしたんだけど、別に大学生になってやりたいこともなかったしね」
親が学費を出してくれるわけではなく、カズキちゃんはこうしてパパ掲示板でパパ活をして学費と生活費を捻出している。だったら、さっさと中退して就職をするべきなのかカズキちゃんは悩んでいた。
僕は大学に行っていないのでその気持ちはわからない。ただ、大学に進学した友達がうらやましかったことは確かだ。しかし、当時は僕が働いて家にお金を入れなければ両親は離婚していたかもしれない。働きもせず飲んだくれてばかりの父親と、パートで何とか生計を立てていた母親の姿を見れば、子供ながらに大学なぞ進めるわけがないことは理解できていた。
それからしばらくして父親は亡くなった。冬の日に母親と大喧嘩して酔っぱらったまま家を出ていき、降りしきる雪の中で野垂れ死にした。思えば、忌むしかなかった父親で、他の家のように「パパ」と呼ぶことも一度もなかったな、と変わり果てたその姿を見ながら思ったものだ。
だからと言うわけではないが、女遊びはパパ掲示板を使っている。自分が一度も使ったことのないパパと言う言葉に惹かれるものがあったのかもしれない。
「パパはどう思う?」
と、カズキちゃんは聞いてきた。学費だけ無駄に食う大学は中退するべきか、先々のことを考えて大学は卒業してその後の人生に大卒と言う保証を付けるか。
大学は出ておくべきだ。やりたいことをやるために大学に通うのではない、やりたいことを見つけるために大学に通っている、と考え方を変えられないかな?とカズキちゃんに聞いてみた。
「じゃあ、4年間、ずっとパパでいてくれる?」
それは僕も望むところだ。カズキちゃんが社会人として巣立つ日まで、彼女のパパとして面倒を見る。パパには恵まれなかった僕が、そしてパパになる。不思議な気持ちだったが、僕の気持ちは満たされていた。
もっとも、その後も関係を続けていた僕たちだが、カズキちゃんに大学内でカレシができて、僕が嫉妬してしまうことになるのである。しかし、それはまた別の話。
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